設備紹介

胸部X線装置

胸部X線検査(胸部レントゲン検査)は、胸部にX線を照射して肺や心臓などの異常を調べる検査です。この検査は、肺がんや肺炎などの呼吸器疾患、大動脈の異常や心不全などの循環器疾患の発見に役立ちます。
健康診断で行われる胸部X線検査の有用性については多くの議論があり、厚生労働省も検査の実施について見直しを行っています。肺結核の減少など、疾病構造の変化に応じて検査のあり方にも変化が求められています。
現在の胸部X線では、約30%の肺がんが見落とされており、特に2㎝未満の早期肺がんは約79%が見逃されるという残念な報告があります。しかし、CT検査は胸部X線検査に比べて被曝量が100倍から500倍も多く、気軽に行える検査とは言えません。
ひつき内科では、この問題の解決にAI画像診断が役立つと考えています。これまでAI画像診断は過剰診断が問題視されてきましたが、人間の目が見落としがちな重要なポイントを指摘してくれるのも事実です。私たちは、人間の目とAIの目が協力し合って疾病の発見を行いたいと考えています。

内視鏡装置

ひつき内科では、主に上部内視鏡検査(胃カメラ)を行っています。この検査は、口または鼻から内視鏡を挿入し、食道、胃、十二指腸などを観察するものです。内視鏡機器の進歩は目覚ましく、以前と比べて苦痛を感じずに検査を受けられるようになりました。また、ひつき内科では細径内視鏡を使用しているため、経口でも経鼻でも検査が可能です。必要に応じて鎮静剤を使用することもできるため、ウトウトしているうちに検査が終わっていたという方もいらっしゃいます。
さらに、ひつき内科では内視鏡画像にAI画像診断を用いています。これにより、人間の目では捉えられない微細な粘膜の変化を検出することが可能です。胃がんや食道がんは粘膜にできるがんですので、早期に発見することができれば、内視鏡手術や腹腔鏡手術で取り除くことが可能です。早期発見により、適切な施設をご紹介することもできます。

AI画像診断

AI(人工知能)画像診断とは、人工知能を利用してX線検査などの医療画像解析や病変の検出を行う技術です。AIは、これまで多くの医師が試行錯誤し経験の中で得た膨大な知識を備えており、そこから規則性や関連性を見つけ出すことで、正確な判断や予測を行います。これにより、病変の診断を迅速かつ正確に下すことが可能です。
言語や画像、音響で表現できることに関しては、人間の医師よりも高い正確性で診断できる可能性があります。診療所の問診票にある○や×といった明示的、形式的な質問には正確に応答できるでしょう。
しかし医師は、問診の内容以外にも、患者さんの表情や声の調子、話すテンポ、さらには本人以外の家族や友人、ペットについての話、職場や学校の話などを通じて診断を行うことがあります。
言葉にならない暗黙的、暗示的な情報も非常に重要です。
加えて医師は触診や聴診を行いながら診察を進めますが、AIは現在のところ手足や皮膚を持たないため、まだAIが到達していない部分と言えるかもしれません。
画像診断は、AIの最も得意とする分野であると考えられています。
人間が見落としがちな部分をAIに補完してもらうことが、現在考えられる最も効果的な画像診断の方法だと思われます。
ひつき内科では積極的にAI画像診断を取り入れています。

超音波診断装置

腹部の臓器(胆嚢、肝臓、膵臓、脾臓、腎臓、腹部大動脈)の異常や疾患を早期にみつけることができ、受診者の身体的負担の少ない検査です。
 

痛みがなくリアルタイムに体の中の状態を把握でき、レントゲンのように放射線を使わないので、妊娠中でも安全です。
 

特に脂肪肝、胆石、胆嚢ポリープ、腎結石などの疾患の発見に有効です。肝がん、膵がん、腎がんなどの発見にも役立ちます。


動脈硬化度検査装置

ABI(Ankle Brachial Index)検査は、上腕と足首の血圧を測定して動脈の狭窄や閉塞を評価する検査です。この検査は、動脈硬化の診断や、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の管理に役立ちます。
高血圧とは、血液が血管を流れる際に必要以上の圧力がかかっている状態を指します。この状態が続くと、心臓や血管に負担がかかり、動脈硬化や血管の変化が起こるリスクが増加します。したがって、ABIの測定を通じて全体的な心血管の健康状態を把握することは非常に重要です。
血糖値が長期的に高い状態が続く(糖尿病など)は、閉塞性動脈硬化症などの合併症を引き起こす可能性があります。糖尿病と診断された方は、定期的にABIを測定して「動脈硬化」の程度を知ることが重要です。
中性脂肪やコレステロールが高い人は、血管内壁にコレステロールが蓄積され、血管の柔軟性が低下することで血管内腔が狭くなり、血液の流れが阻害される「動脈硬化」のリスクが高まります。脂質異常症の治療を受けている方は、ぜひABIの測定を受けることをお勧めします。
「動脈硬化」は、脳梗塞や肺塞栓、心筋梗塞などの命に関わる重大な疾患の要因となります。

心電図検査

心臓は微量の電気を周期的に発生していて、その電気が心臓の筋肉(心筋)を伝わることによって、収縮・拡張し、その力で全身に血液を送っています。 心電図検査は、その電気の状態をチェックして、心臓が規則正しく動いているか、心筋に傷害がないかどうか、などを検査しています。心電図検査は、必要な時間も短く、身体的負担も少ない検査です。これまで定期検診などでは、必ず実施されて来ました。最近になって、若年者については省略可能な検査になりました。何故ででょうか? 心電図検査では「将来、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)が起こりうるか否か」について知ることはできないと考えられるようになりました。心電図検査は無駄な検査なのでしょうか? 決してそんなことはありません。胸の痛みや圧迫感、動悸、息切れ、むくみなどの症状があれば、直ぐに心電図検査を受けましょう。早い処置は、良い予後をもたらします。

呼吸機能検査

マウスピースをくえて口から出入りする空気の量を測定します。肺活量と1秒率(最初の1秒間にはき出す量と肺活量の比率)を用いて、肺容量が減少した呼吸器病(1. 拘束性障害)と空気が出入りしにくい呼吸器病(2. 閉塞性障害、COPD)に分けることができます。
1. 拘束性障害:肺活量の低下が見られる状態で、呼吸を行う肺の組織が減少したり、胸膜の病気が原因になります。
   ・肺の弾力性の低下:肺線維症、じん肺、間質性肺炎など
   ・胸部拡張性の障害:慢性胸膜炎
   ・呼吸運動の障害:筋肉や神経の病気
2. 閉塞性障害:1秒率の低下が主な特徴の疾患群です。
   ・気道閉塞:喘息、慢性気管支炎、びまん性細気管支炎
   ・肺気腫

特に、最近目にするようになった慢性閉塞性肺疾患は生活習慣病の1つで「タバコ病」とも呼ばれています。
原因は肺に炎症が起こることです。肺の炎症は、たばこの煙やPM2.5などの有害物質を吸い込むことにより生じるといわれています。そのため喫煙者や、たばこの煙にさらされる機会の多い方はかかりやすい傾向にあります。

慢性閉塞性肺疾患の炎症によって破壊されてしまった肺は、時間が経過しても元には戻りません。そのため、治療によって病気の進行を抑えることが大切です。

超音波骨量測定装置

骨密度検査は、骨の強さや健康状態を評価するための検査です。一般的に、骨折のリスクが高いかどうかを判断するために行われます。特に骨粗鬆症(こつそしょうしょう)と呼ばれる骨の密度が低下する状態を診断するために重要です。
ひつき内科では、超音波を用いて足のかかとの骨密度を測定する方法を採用しています。痛みがなく、短時間で行えるメリットがあります。
特に女性は症状が無くても、40歳以上になったら定期的に骨密度を測ることをお勧めします。